【書評】村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅」を読んで

今日読んだ本はこちらです。

皆さん、こんにちは。今日は、村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅」について、私の率直な感想をお話ししたいと思います。

この本、実は10数年前に一度読んだことがあるんです。でも最近、村上作品のオーディオブックにはまっていて、「あの本、声で聴いたらどうかな」って思ったんですよね。それで、Amazonのオーディブルで聴いてみることにしました。

1. 本の基本情報
2. この本を選んだ理由
3. あらすじ
5. 感想
6. おすすめ度
聴く読書

1. 本の基本情報

まず、基本情報からお伝えしますね。

題名：「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅」
著者：村上春樹
出版社：文芸春秋
ナレーター：向井理

この本はAudibleでオーディオブックとして聴くことも可能です。
ナレーターの向井理さんによる朗読は、落ち着いた声で物語を引き立てています。

総再生時間は約14時間で、通勤や家事の合間に楽しむのに最適です。
Amazonオーディブルの利用はこちら

2. この本を選んだ理由

さて、なぜこの本を選んだかというと…。
実は、初めて読んだ時、私はまだ飲食店で働いていたんです。

あまり本を読む性格ではなかったですが、村上先生の新刊が出るっていう噂を聞いて、「よし、読んでみよう！」って思ったんですよね。
それまで村上先生の名前は知っていたけど、なんとなく「難しそう…」っていう先入観があって、手を出せずにいたんです。

でも、あらすじを読んでみたら、なんだかグッと引き込まれてしまって。それで思い切って読んでみたんです。
そしたら、これがなかなか面白くて。

今回、オーディオブックで聴いてみようと思ったのは、本って一回目に読んだ時と、二回目三回目で全然印象が変わるじゃないですか。そういう経験、みなさんもありませんか？それに、日本を代表する作家さんの作品を、声優さんの朗読で楽しめるなんて、贅沢だなって思ったんです。

3. あらすじ

物語の内容を簡単に説明すると、こんな感じです。

主人公の多崎つくるは36歳。東京で鉄道会社に勤めています。
高校時代、地元名古屋で仲の良かった5人組のグループがいたんですが、大学2年の時に突然、仲間はずれにされちゃうんです。理由も分からないまま…。

それから16年。つくるは東京で自分の生活を築いていきますが、ある日、ガールフレンドから言われた一言をきっかけに、過去と向き合うことになります。

過去に起こったことをひとつづつ、パズルのピースを埋めていくように探す。
仲良し5人グループ個々の今の生活と、過去に合った出来事を探すことで、つくるは自分自身と改めて見つめ合っていく。

5. 感想

読んでいて、つくるに自分を重ねちゃったんです。
私も地元を離れて上京した経験があるので、つくるが帰省するシーンなんかは「わかる～」って感じでした。
友達も親戚もいない土地で一人で生きていく不安、でも一度離れた故郷にはもう戻れないっていう複雑な気持ち。
皆さんの中にも、似たような経験がある人がいるんじゃないでしょうか。

村上さんの小説って、男性視点での性描写が多いんですよね。
この本もそうで、若い男性特有の、女性に対する葛藤みたいなものが描かれています。正直、同じ男として「あー、分かるなぁ」って思う部分もあったりして（笑）。ただ、女性の読者の中には、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれません。その辺は好みが分かれるところかな。

10数年前に読んだ時と比べて、今回聴いてみて、全然違う感情が湧いてきたんです。やっぱり年を重ねて、経験も増えたからかな。若い頃の自分と今の自分を重ねながら聴くことで、今まで気づかなかった自分の感情に出会えた気がします。

ただ、ちょっと残念だったのが最後の結末。もう少し分かりやすく書いてほしかったなぁ。
でも、これ以上言うとネタバレになっちゃうので、この辺にしておきます（笑）。